日高の山


三十数年前、登山が仕事みたいなお役所仕事をしたことがあります。30kg以上もある測量の機械を背負い、鉈を片手に笹藪を伐開しながら崖のような急斜面を登りました。現場はこの日高山脈の稜線沿いでした。真夏には手持ちの水がすぐに無くなり、何度も川の水をがぶ飲みしましたが、お陰さまで元気に生きています。あの仕事から解放された時には、もう二度と山になんか登るものかと思いましたが、その半年後にはアイゼン、ピッケル、ザイル、その他諸々のクソ重い装備とスキーを担いで山にいました。新鮮なパウダーを求めてバックカントリーを彷徨い、ビバークは日常の出来事だったんです。当時は富良野の山にハマっていましたね。昔は全く自己責任の世界でしたから、私が山にいることは誰も知らない状況での入山です。


本格的にトラックの仕事を始めてからはずっと山から離れていましたが、最近、三十年連れ添う女房が山に登るようになりましてね、一緒に小さな山へ出かけるようになりました。こんな年齢になってからの再挑戦ですから、ド素人と二人で丁度良い感じです。一度だけ二人でハワイ島の山に登ったことがありますが、彼女は3,800mを超えた辺りから高山病の症状が出ましてね、4,000m超えの登頂は無理でした。


そろそろ山には雪が積もります。冬山には夏に体験できない素敵な環境がありますが、日帰りの予定でも一週間分の食料と氷点下対応のシュラフ、テントにスコップが標準装備です。仕事中にトラックの車窓から山を見上げ、ワクワクしています。


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